ウィリアム・テルを題材にした内田吐夢の野心作。片岡千恵蔵が実子・植木基晴とともに出演し、弓の名手・照造を熱演。幕末の動乱期、江州の天領地代官・脇群太夫は衰勢にある幕府財政のため、過酷な取り立てを始めた。次第に強くなる圧政のために村民たちは困窮する。土下座をしなかった息子を咎めた群太夫は、猟師・照造に息子の頭上のみかんを射よと命じた。クライマックスの農民たちの逆襲場面は圧倒的な大群衆シーンが展開される。