主役の強さを際立たせるべく、豪快に斬られて果てる時代劇の斬られ役にスポットを当てる作品を5月から特集中。6月は、"5万回斬られた男"の異名をもつ日本一の斬られ役・福本清三と共に、長きにわたり殺陣を追求してきた俳優・峰蘭太郎が選んだ圧巻の立ち回りを堪能できる1作、大川橋蔵主演の「恋山彦」をお届け。本作は、1937年にマキノ正博（マキノ雅弘）監督が阪東妻三郎主演で映画化した人気作を、1959年に再びマキノ雅弘監督が橋蔵を主演に迎えて映画化した作品。原作は吉川英治の小説で、名絃「山彦」の調べに結ばれた清純の恋に生きる伊那平氏の末裔、伊那の小源太が、颯爽と江戸城に乗り込み、幕府の悪政と闘う痛快波瀾の物語を綴る。平家の末裔である御曹司・伊那の小源太とニヒルな浪人・島崎無二斎の二役を演じる橋蔵による、長袴での立ち回りは必見。